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ハードディスク(HDD)の故障種類は様々です。以下にハードディスク(HDD)の代表的な故障事例の一部を紹介いたします。
●ヘッドクラッシュ
外的な衝撃や経年劣化によって、ハードディスクの読み取りヘッドがプラッターに接触し、ヘッドおよびプラッターにダメージが生じるHDD故障です。ひどいヘッドクラッシュの場合には、ヘッド/スライダーがプラッターの表面の磁性層を円周状に削り取り、プラッターの基盤が透けて見えるものや、ヘッド/スライダーがプラッター表面を跳ねながら強く打ち付けたために、プラッター表面にたくさんの打痕が生じるものなどもあります。
●スティクション
停電やシステムエラーによって、システムを正常に終了できなかった場合などに、"ランプ"や"CSSゾーン"と呼ばれるヘッド/スライダーの待機場所へ移動できず、そのままプラッターに吸着してしまうハードディスク故障です。この故障が発生した場合はハードディスクがスピンできない症状が現れます。また、スティクションが発生しているにも関わらず、みだりに通電を繰り返した場合、ディスクの回転トルクによってヘッド/スライダーを指示しているジンバル(ヘッド/スライダーを支えている板バネのような部品です)が捻じ曲げられてしまい、プラッターに甚大な損傷がおよんでしまうこともあります。
●ベアリング故障
スピンドルモーターの軸受け部分には、流体軸受けやボールベアリングが使用されていますが、それらの部位に不具合が発生し、プラッターが一切回転できない状態になったり、設計上定められている回転数まで上昇しないというHDD故障が発生することがあります。この場合、ハードディスクにはスピンアップ/スピンダウンを繰り返すなどの症状が現れます。
●アライメント狂い
外的な衝撃によるプラッターのずれ(メディアシフト)や、過度の発熱によるプラッターの熱膨張・歪み、複数のヘッドの相対的な位置ずれなどによって、ヘッドが目標のセクターを探すことができない、正確にトラックをトレースできなくなるHDD故障です。ある程度のアライメント狂いは、HDD自身がキャリブレーションを行い補正することが可能ですが、キャリブレーションで補正不可能なレベルで狂いが生じるとHDDが認識されなくなったり、極度にアクセススピードが低下するなどの症状が現れます。
●システムエリア・ファームウェア障害
ハードディスクのプラッター上には、ユーザーが通常アクセスすることのできないエリアが存在しています。このエリアはネガティブシリンダーまたはマイナスシリンダーなどと呼ばれます。ハードディスクの基盤のチップや、マイナスシリンダーには、ハードディスクのメーカー名、モデル名、容量などのBIOSにセットされるべき情報や、不良セクターとその置換に関する情報、ゾーン毎のアクセス制御情報、ファームウェア、HDDのセキュリティに関する情報等が記録されていますがこれらのエリアに不具合が生じるハードディスク故障が存在しています。ディスクが全く認識できなくなる、誤った仕様でBIOSにセットされる、アクセススピードが低下する、全てのセクターが不良セクターとして検知されるなど、故障症状は様々です。
●不良セクター
プラッター面がダメージを受けたために正常に読み取りできないセクターが発生するハードディスク故障です。プラッターの歪みによって、トラックをトレースできない場合や、プラッター面に微細な傷が入ってしまった場合などに不良セクターが検出されます。
不良セクターはチェックディスクや、ディスクエディタ等でも検知することができますが、たとえばセキュリティロックのかかったディスクは、全てが不良セクターとして検知される場合がありますし、ヘッドやヘッドアンプが故障しているためにシグナルを読み取難い状態になっている場合にも不良セクターとして検知されます。いずれにしても何に起因して不良セクターが検知されているのかを把握できるか否かがデータ復旧の安全性を左右します。
●ヘッド/ヘッドアンプ故障
外的な衝撃によるプラッターとの接触や、経年劣化などの様々な理由で、ヘッドまたはヘッドアンプが正常に機能しないハードディスク故障です。この故障が発生した場合、HDDはシステムから全く認識されなくなります。
●モータドライバ故障
粗悪なパワーサプライユニットを利用していた場合などに、基盤に搭載されているモータドライバチップがブローしたり、その回路が焼ききれたりするハードディスク故障です。ハードディスクの基盤を注意深く観察することで、目視で故障を確認することが出来るため、障害部位の特定が比較的容易な故障といえます。
これらのハードディスク故障は、特に粗雑な取り扱いをしていなくても、ある日突然起こりうる故障です。
信頼性の高いハードディスクを、最適な環境で動作させていた場合にも、これらの故障を完全に回避することは不可能ですので、日ごろから必ずバックアップをとっておくことをお勧めいたします。

















