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RAID0のデータ復旧|故障原因や復元方法、費用について

RAID0とは複数記録媒体を仮想的に1つの記録媒体として扱うデータ保存技術の一つです。

市販されているNASや個人向けサーバーには「RAID0」を採用しているモデルが多数あります。RAID0はアクセススピードを向上させるために、「ストライピング」というデータ記録手法を採用しています。

ストライピングとは、1つのデータを複数の記録端末(HDDやSSD)に分割して記録する手法です。例えば、4つのデータ(ここではA,B,C,Dと呼びます)で構成されている1つのファイルを想像してみましょう。このファイルを保存する場合、保存先が1つのHDDだとしたら、当然ですが1つのHDDに構成データA,B,C,D全てを保存することになります。

これがRAID0(HDD2台構成)の場合、HDD1には構成データA,Cを、HDD2には構成データB,Dをそれぞれ「同時に」書き込みます。各HDDの稼動工程は2分の1となるため、1つのHDDに記録する場合に比べ単純計算してスピードは2倍となります。要は、各HDDの労力を分散させることでアクセススピードを図るというのがストライピングの考えです。

一般的なRAID0製品はHDD又はSSD2台構成のものが多いですが、理論上HDDの台数を増やすことで更なる高速化が図れます。

RAID0は故障しやすい(=冗長性がない)

記録装置の台数を増やすだけでデータアクセス速度が上がるRAID0ですが、当然デメリットもあります。それは「故障率も増加する」ということです。

先にご説明した通り、RAID0は「複数の」記録装置を1つの記録装置として仮想的に扱うものです。言い換えれば、「複数の記録装置の内、一つでも故障してしまえばデータは消失してしまう」ということです。つまり、台数を増やせば増やすほどアクセス速度が上がる反面、台数を増やせば増やすほど故障しやすくなるということです。

先の例で考えてみましょう。HDD1には構成データA,Cが、HDD2には構成データB,Dが記録されている状態です。このファイルは構成データA,B,C,D全て揃ってはじめて読み書きができます。この状態でHDD2が故障した場合、読み取れるのはHDD1のA,Cだけとなり、ファイルとして正常に読み込むことができなくなります。

記録装置は精密機器であり、いずれ必ず故障します。RAID0の場合、「記録装置の内1つでも故障したら全てが壊れる」という特性から、記録装置が増えれば増えるほど故障率が高まってしまうのです。RAIDは冗長性(=耐障害性)向上を目的に構築するものが多いですが、RAID0は冗長性がない点に注意する必要があります。

RAID0の故障原因

RAID0の故障原因は大別して「論理障害」と「物理障害」に分けられます。

論理障害

論理障害はソフトウェア面の障害であり、ハードウェアの故障を原因としない障害です。例として、以下のようなものがあります。

  • データファイルを誤って削除した。
  • 初期化をしてしまった。
  • RAID崩壊によりファイルが正常に開けない。
  • フォーマットエラーによりアクセスができなくなった。

物理障害

物理障害はハードウェアの故障が原因となる障害です。例として、以下のようなものがあります。

  • 電源を入れても起動しない(通電しない)。
  • HDDが認識せず、異音がする。
  • 落下により衝撃を与えてしまった。
  • RAIDカードがショートしてしまった。

RAID0のデータ復旧方法

RAID0が故障したり、データが消失した場合の復旧方法をご説明します。故障・障害原因は多種多様であり、原因を突き止めた上でそれを解決するというアプローチが大切です。

※以下に記載されている内容は専門的な技術・設備を要し、失敗した場合はデータ復元確率が大幅に低下する場合があり、慎重に実施する必要があります。

論理障害のデータ復旧方法

論理障害に対するデータ復旧方法の一例をご紹介します。

データ消去・削除の場合

誤ってデータファイルを消去したり、ゴミ箱から削除した場合でもファイルを構成していた元データは記録装置上に残存している可能性があります。元データさえ残存していれば、それを基にファイルを再構成(=データ復元)できます。消去して間もないのであれば元データが残存している可能性が高いため、データ救出確率を高めるには速やかな対応が必要となります。

具体的な手法は多々ありますが、代表的なアプローチとして「ディレクトリ情報を復元し、復元対象のファイルのセクタ位置を確認、元データを回収してファイル化を行うこと」です。ディレクトリ情報が復元できない場合でも、全セクタを解析することにより消去データの復元が可能です。

フォーマットエラーの場合

RAID0で稼動しているNASやサーバーはPCと同じく、特定のファイルシステムで稼動しています。市販モデルの多くはext系やXFSなど、Linux系統のファイルシステムが採用されています。

ファイルシステムが破損した場合はフォーマットエラーとなり、パソコンからNASにアクセスできなくなります。フォーマットエラーを引き起こす原因は多種多様であり、原因究明が大切となります。

よくあるヒューマンエラーとしては、HDDのSATAケーブル直付けがあります。先述の通り、RAID0のサーバーはLinux系ファイルシステムが採用されている場合が多いため、WindowsパソコンやMacにSATA接続を行っても認識されず、フォーマットエラーが発生します。これはファイルシステムの破損ではなく、WindowsやMacではLinux系ファイルシステムが認識されないために発生するエラーであり、異常ではありません。にもかかわらずフォーマットを実施するとデータが消失してしまうため、対応に注意する必要があります。

RAID崩壊の場合

RAID0はストライピング方式で動作していますが、ストライピングも色々な構成があり、メーカーやモデルによって細部は異なります。RAID構成が崩壊した場合、データファイルが正常に認識できなくなるため、RAID環境を再構築する必要があります。構築方法を誤ってしまうとデータが破損してしまう恐れがあるため、慎重にRAID分析を行う必要があります。

具体的には、「ブロックサイズの特定」「ブロックの並び順の特定」「ブロック行数の特定」などを行い、ストライピングルールを分析した上でRAIDの再構築を実施します。

物理障害のデータ復旧方法

物理障害に対するデータ復旧方法の一例をご紹介します。

※物理障害の場合、安易にデータ復旧ソフトなどを使用すると急激に故障状態が悪化するケースが多々あります。異音がしたり、電源すら入らないなど物理障害が疑われる場合は無闇に操作しないことを強くお勧めします。

異音がする場合

「カチカチ」「カタカタ」「ジー」など、明らかに通常時と違う異音がする場合、HDDが物理的に故障しています。SSDの場合は電子記録媒体なので、異音はしません。異音が発生したHDDは正常に認識することができず、プラッタスクラッチなどの重度物理障害に発展する可能性があるため特に慎重な対応が必要となります。

異音が発生した場合、発生原因を突き止めて対処する必要があります。ヘッドが故障している場合はヘッド交換、スピンドルモーターが故障している場合はモーター交換などを行い、HDDが正常認識できるように対処します。前述の通り、RAID0においては構成HDDの一つでも故障した場合は正常にデータを回復することができないため、HDDの機能回復によるデータ復旧スキームを採用します。

NAS・サーバーが起動しない場合(認識しない場合)

NASやサーバーが起動せず、HDDの動作音もない場合は導通異常(通電異常)が発生している可能性があります。この場合、正常に電気が流れていない状態となるため起動することができません。

多くの場合、ショートなどの電気的故障が生じているケースがあります。データ復旧方法としては記録装置の状態確認を行い、仮想RAID環境を構築することによりデータ救出を行います。

RAIDカードの故障

NASやサーバーのモデルによっては、RAID構成をHDD上に記録せずRAIDカードにて記録し、動作させるものがあります。RAIDカードが故障した場合、正常に認識することができなくなります。

この場合も、第一義的には記録装置の状態確認を行った上で、故障がない場合は仮想RAID環境構築によりデータ復旧を実施します。

RAID0のデータ復旧サービスの費用・相場

多くのデータ復旧業者はRAID0のデータ復旧サービスを提供していますが、費用・料金相場は業者によりバラバラです。RAID0のデータ復旧サービスは価格だけで比較できるものではありません。単なるデータ復旧ソフトを使用しているだけの業者もあれば、専門技術により高精度なデータ復元を提供している業者もあり、価格のサービス品質が連動していないからです。

その技術水準は業者によりばらつきがあります。前述の通り、RAID0のデータ復元は専門技術が必要となるため、技術力の低いデータ復元会社を選択してしまうとデータ復旧に失敗するどころか二度とデータが救出できなくなるリスクがあります。

データが重要な場合、費用面も大事ですが何よりも技術力を重視し、安心できるデータ復旧サービスを選択されることをおすすめします。

データ復旧センターでは高度な技術力により、他社復旧不可案件を中心に高精度なデータ復元を実施しています。料金のお見積もりなどをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

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