イメージファイルとは、ファイルシステムの構造を含む全データをコピーしたファイルです。ファイル単位のコピーではなく、HDDなどの記録媒体のデータ構造をそのまま仮想化(イメージ化)したものになり、イメージデータとも呼ばれます。データ復旧を行う上では、障害発生メディアを直接解析するとデータ上書きや破損が生じる恐れがあるため、可能であればイメージファイルを取得し、イメージファイルを解析対象とすることで障害悪化を防ぐことができます。
イメージファイルは規格があり、拡張子も違います。代表的な拡張子は「.img」「.iso」であり一般的にIMGファイルやISOファイルと言われます。その他、以下のような規格が代表的です。
イメージファイルの取得は、障害メディアのダメージを防ぐ点から有効なデータ復旧工程ですが、注意点もあります。それは、イメージファイルの取得自体がメディアに負担がかかる点です。データ復元の観点から見たイメージファイルとは、障害メディアのクローンコピーを意味するため、通常は取得方法をセクタバイセクタ方式というコピー方法を採ります。この方法は基本的に全てのデータセクタへのアクセスが必要となるため、メディアに対する負担が大きい処理となります。
既に、物理障害などでデータアクセスが困難なメディアに対し、いきなりイメージデータの取得を試みると致命的な症状に進行してしまい、データ救出が不可能となることがあります。
データ復旧を行う上では、まずは端末の障害状況を調査し、イメージデータの取得に耐えうる状態か判断することが大切です。